相続手続きの流れ
相続が発生した場合、一般的には図のような流れで手続きを行っていきます。
相続の基礎:法定相続人
民法で規定されている相続人を「法定相続人」と呼びます。一般には配偶者と次の順位の人です。
1.子(既に死亡している場合には、孫。孫も死亡している場合には、曾孫と、どんどん下がっていきます)
2.親(既に死亡している場合には、祖父母)
3.兄弟姉妹(既に死亡している場合には、甥姪で、この場合はこれ以上下がることはありません。)
ちなみに配偶者は必ず法定相続人となることから順位はありません。
※法定相続人の中に行方不明者がいる場合には、行方不明になってから7年経過していれば、家庭裁判所から失踪宣告を受けて、既に死亡しているものとして扱うことが可能です。
相続の基礎:相続財産(=遺産)とはどのようなもの?
遺産には、次のようなプラスの財産とマイナスの財産があります。
■プラスの財産
・不動産(土地、建物、借地権等)
・現金、預貯金、有価証券(株式・債券など)
・貸付金、売掛金
・特許権、著作権
・貴金属、宝石、自動車、家具、美術品
・ゴルフ会員権
など
■マイナスの財産
・借入金、買掛金
・預かり敷金、預かり保証金
・未払いの税金
・未払いの医療費
など
なお、死亡退職金・死亡保険金は通常、相続財産ではありません(例外もあります)。
遺産分割の方法
遺産の分割は、遺言の有無によります。
■遺言がある場合
原則は、遺言の内容に従って遺産分割を行います。遺言に記載されていない財産がある場合には、その財産については遺言がない場合と同様の手続きが必要になります。また、遺留分(配偶者と子の場合、相続分※の1/2)の侵害等がある場合には、遺留分の減殺請求をします(遺言の内容を知ったときから1年以内)。
※相続人が配偶者と子3人の場合には、各人の相続分は、配偶者が1/2、子が1/6(1/2×1/3)。
■遺言がない場合
遺言がない場合には、相続人全員による遺産分割協議で遺産の取得者・承継者を決めます。この場合、相続人全員の合意があれば、どのように分けてもかまいませんから、相続人の中の1人が全部取得するといった分割も可能です。取得者が決まったら、遺産分割協議書を作成し、署名・押印(なるべく実印)をします。
遺言又は遺産分割協議書で、名義変更をします。これで相続が終了します。