お墓の引越し(改葬)について
昨今、「墓じまい」という言葉が聞かれるようになり、お墓の移転を検討されている方が増加しています。
主な理由としては、高齢化などの諸事情により遠方にある先祖代々のお墓の管理が難しくなってきていることがあげられるようです。
ただ、お墓の引越し(「改葬」といいます)には自治体などの許可が必要だと言うことは意外と知られていないようです。
【墓地、埋葬等に関する法律 第5条1項】
埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
この法律に違反すると罰則もあります。
では具体的にどのような手続が必要なのでしょうか?
お墓の引越し(改葬)の手続
一般的に「改葬許可申請書」と呼ばれるものが必要になってきます。
それではそういったことも含めてお墓のお引越しについて以下の項目で確認してください。
一般的改葬手続の流れ
- 引越先の墓地、納骨堂を決定する。
- 引越先の墓地管理者より「受入証明書」を発行してもらう。
- 引越元の自治体にて「改葬許可申請書」を入手する。
※申請書のフォーマットは自治体により異なりますので注意してください - 引越元の墓地管理者に「改葬許可申請書」へ必要事項を記入・押印してもらう。
※一般的にはこの申請書が「埋葬証明書」になります「 - 「受入証明書」と「改葬許可申請書」を引越元の自治体へ提出し許可をもらう。
※ここで許可をもらった申請書類が「改葬許可証」となります - 引越元の墓地の規約にそって後処理を行う(墓を撤去し更地に戻す等)とともに宗教上の約束事を行う(魂抜き等々)
- 引越先の管理者へ「改葬許可証」を提出し、納骨、開眼供養等を行う
改葬(墓じまい)に際しての留意点
費用
改葬(墓じまい)を検討される方の多くが費用について、新しい引越先についてかかる費用のみを考えています。
しかし、その他の費用として引越元の墓地の現状復帰費用(墓を撤去し更地にする)が多くの場合必要です。また、この工事も当該墓地の指定業者以外はダメということも多々あります。
また、墓地の規則によっては引越に際して離脱料を課される場合もありますので、まずは墓地の規則を確認することが必要です。
書類について
「改葬許可申請書」のフォーマットは各自治体により異なりますが、概ね内容は遺骨の「名前」「最終の住所」「死亡年月日」「火葬年月日」等です。通常は戸籍謄本や除籍謄本から確認していくことになりますが、遺骨の中には誰か分からないという可能性もあります。
不明な箇所がある場合は、自治体へ対応を確認することが必要です。
また、自治体によっては改葬(墓じまい)する遺骨毎に申請書が必要な場合もありますので、こういった点も前もって自治体へ確認しておく必要があります。
移転元の管理者・親族について
改葬(墓じまい)に際して、いきなり「改葬(墓じまい)しますので書類に記入お願いします」と言うことは厳禁です!
特にお寺のご住職の中には遺骨を移すことに否定的な考えをもたれる方も少なからずいらっしゃいます。先祖代々長年お世話になった場所を移るわけですから、実際に手続に移る前にまずは一言ご相談されて、なぜ改葬(墓じまい)をしなければならないかなどの理由を誠意をもって説明されることを強くお勧めします。
また、これらのことはご親族についても言えることです。
一度話がこじれてしまうと解決は困難になります。
慎重にお手続は進めるようにしてください。
改葬(墓じまい)の費用
改葬(墓じまい)にいくら必要かということになると本当にケースバイケースで一概には言えません。一般的には150万円~300万円という意見もあるようですが、あくまで目安でしかありません。
それでは、一般的にどのような費用が必要かということですが、これも施設等により異なりますが以下に一般的な例をあげます。
- 移転元の墓撤去費用・・・一般的には一坪30万円程度と言われます
- 檀家の離脱料
- 移転先の永代供養料
- 移転先の墓地工事料
- 手続に際しての宗教上の法要にかかる費用(魂抜き、開眼供養等)
- その他事務手数料
行政書士のサポート
行政書士は各行政官庁への諸手続書類の作成のプロであり、戸籍調査などに関しても得意としています。そういったところから「改葬許可申請書」作成をご支援させていただきます。
「改葬許可申請書」作成支援
改葬許可申請書作成・・・申請書入手、戸籍調査、申請書類の作成を行います。
1申請につき20000円(税別)より承ります。
出張等が必要な場合は別途日当などが必要になります。
※福岡市、及びその近隣地域以外の方はまずご連絡を下さい。
まずはご相談いただいて打合せの上費用を見積もらせていただきます。
改葬(墓じまい)のサポート
書類作成だけではなく、改葬(墓じまい)の初期の段階からサポートする事も可能です。
・移転元管理者や親類への説明サポート
・必要書類の作成
・遺骨の移動のサポート
・その他諸手続への全般サポート
費用についてはどこまでのサポートを行うかによって全く異なりますので、まずはご相談下さい。
特に「福岡県外から福岡へ」「福岡から福岡県外へ」という方はご相談下さい。